野球少年の夢、再び!野球のバットを自分でつくるカスタムワークショップを実施しました!
夏休み、子どもたちにとって夢広がる長い休み。今はコロナで外出もなかなかできずストレスがたまる日々かもしれませんが、それでも普段できないことに挑戦できることはとてもいいことだと思います。
そして今回、夏休みが始まるころに問い合わせがあったのが野球のバットを作ることはできないか、という内容でした。それはまさに2年前の野球少年のバットづくりのブログ記事をご覧になったお父さんからの問い合わせでした。
子どもたちの「作りたい!」という気持ち、毎年夏になるとその思いをどうしたらよいかと、お父さん、お母さんから相談を受けることが多くなります。そして、毎年1回、2回はその思いをツバキラボで実現する、ということが起こります。 今回は、「野球のバット」 小学4年生のお子さんをお持ちのお母さんから...
子どもたちの「やりたい!」お父さんお母さんの「やらせてあげたい!」という気持ちに極力応えていきたいので、今回もワークショップを開催することにいたしました。
そして、当日、小学校5年生の男の子とお父さんが来られました。
あいさつの後、早速男の子とお父さんが考えてこられたバットの内容を説明してくださいました。現在使っているバットを同じ寸法だけど、この部分をこうしたい、こういう形状にしたいというリクエストがありました。すべてを叶えることはできませんでしたが、しっかり考えてきてくれたんだなぁと感心しました。
まず、バットづくりを始める前に、バットの木はどういう木を使っているんだろうか?なぜその木を使っているのか?など木材のお話をさせていただきました。
資源は限りがあります。自由に使えるわけでも、豊富にあるわけでもありません。国内でもバットに適したアオダモもそう簡単に手に入りません。
今回用意したのは、バットに適したホワイトアッシュです。
さぁ、ここから作業開始です。
現在使っているバットを計測して、ゲージを作る作業に入りました。端からどれくらいのところでは太さはいくつになっているのか、ノギスを使って計測し、その寸法を細長い板に書き込んでいきます。これが、削っているときに確認できるゲージになります。
計算が必要なところでは、お父さんも私も彼が考え、そして答えを出すのを待ちます。自分で考えた、自分で作ったという経験が大事だと思っています。
それではついに削り始めよう、というわけですが、角材から作業するのはなかなか大変。あらかじめ落とせる角はテーブルソーを使って事前に落としました。この作業はさすがにできませんので、加工を見ていただきました。
そして、ここから木工旋盤の出番です。
旋盤に取り付け、削り方を教わって、
削り始めます。
丸棒になるまでが大変な作業。全身に力が入り、どっと疲れるところです。
お父さんも真剣です。
ゲージをあてて、しるしをつけながら、ここが〇〇mmになる、ここが〇〇mmになる、と確認しながら、少しずつバットのかたちに近づけていきます。
慣れない作業で、全身に力が入ります。時折休憩を入れながら、それでもほぼすべての加工をこなしていきます。
グリップ部分が細くなり、全体に振動が入りブレ始めたら、ブレ止めの装置を装着しました。
そしてこだわりのグリップエンドの形状。ゆるやかなカーブになるように慎重に削っていました。
そして最後は、サンディングをして表面を滑らかに。
サンディング後に手で撫でた時の彼の満足そうな表情が忘れられません。
旋盤から取り外し、両端を切り落として、最後は焼きペンで文字入れしました。
約3時間半かけて、自分で削って作った自分だけの野球のバットが完成しました。
お疲れさまでした!
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