ハンドル手動切り替え式の機織り機を足踏み式にカスタマイズ!
昨年末にご依頼があったのが、機織り機の改造のお話。依頼主は、趣味ではた織をしている若いお母さんです。
譲り受けたフィンランド製の織機はハンドルを手動で切り替え模様を変えるタイプの織機で、使い勝手や織る柄のパターンを増やすために、改造したいけれど、自分でやるには限界があって、、、ということでした。
話を聞いていると、瞬時に仕組みを理解するには複雑で、しかもかなり精度も求められるらしい。
これは預かってカスタマイズを行うより、立ち合いの元、細部を確認しながらやった方が良い、ということになり、年が明けてから実施することになっていました。
写真のこのハンドルを左右にパタンパタンと切り替えながらさまざまなパターンを織る仕組みだった機織り機。これを足踏みで切り替える仕組みにする。言葉を聞いても、実物を見ても、なかなか理解が難しい。綜絖(そうこう)とか杼(ひ)とか筬(おさ)とか専門用語で難しい。とはいえ、なんとか理解しながら各パーツをどのような寸法でどういいう仕組みで作り、取り付けていくべきかをその場で判断しながら進めます。
織機と一緒にもってきていただいた足踏みの仕組みは、別の織機で使われていたもので、たぶん日本製のもの。このようなものをこの織機の前足に取り付けたい、ということで、織機全体の寸法を確認し、そこから寸法など確認していきます。
スタッフ安間も必死です。
そして出来上がったのがこちら。
しっかり前足に固定されるように正確にカットして、ボルトで取り付けられるようにしました。
この脚ペダルから上部の綜絖へ接続するためのパーツも制作。
それらを専用の糸でつないでいきます。糸を通す穴もずれてはいけないので、レーザーで墨だしをして正確に位置を割り出します。
そして、なんとかお客様のご希望の姿へ変身させることができました。
そして、もう一つご依頼があったのが、「整経台」と呼ばれるもの。
経糸(たていと)の長さを揃えるための道具だそうです。これを組み立て式のものを作ってほしい、とのこと。
こちらもいただいた資料を元にその場で確認しながら作りました。
枠の四隅は相欠きでボルトナットで占めることで組立て分解が容易にできるようにしました。
なんだかんだ1日かかった機織り機のカスタマイズ。
違う分野で使われる道具をこうやって知ることができるのは、なんだかうれしいですね。
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