【レポート】作家のリアルに迫る REAL TALK Vol.01 「工房やす 岡田 靖則」を開催しました!
2月23日(土)、ツバキラボ初となる、作家のリアルに迫るトーク&実演イベント「REAL TALK」を開催しました!
ゲストにお越しいただいたのは工房やすの岡田靖則さんです。
参加いただいたのは想定以上の21人。半数がツバキラボの会員、ほかの方もやはり木工をやられている方が多かったです。中にはプロとして活躍されている方もいて、なかなか参加者の幅が広いイベントとなりました。
充実のお椀製作の実演
イベントの前半は、木工旋盤を使ったお椀づくりの実演です。
機材や道具の説明を丁寧にしていただき、まずは刃物の研ぎから見せていただきました。ツバキラボでは普段グラインダーを使った研ぎをしていますが、やすさんは包丁などを研ぐ水砥石を使って研ぎます。この研ぎ方は非常に難しいですが、しっかり研げればメリットしかない研ぎ方です。
ツバキラボの木工旋盤はやすさんが普段使われている機材とは違うものなので、やりにくさはあったと思います。ご本人曰く、緊張して手が震えたそうですが、それでも、解説を丁寧にしながら、さっとお椀を作り上げていく姿はさすがです。
今回は、山桜の生木でシュルシュルシュルと削りカスがきれいに飛びます。
次々とでるプロの作家の技術に、参加者も前のめりになってみています。
やすさんは、木工旋盤をほぼ独学で習得されているので、中には教科書的なものから外れているものもありますが、要は結果としていいものができればいいわけです。一般論としての正解はありますが、自己流だとしてもなぜいいのか、なぜダメなのかということが理解できているかどうかはとても大事なことです。
削りあがったお椀を触らせてもらい、その素晴らしい出来に感動する参加者たちが多くいました。短時間でクオリティが高いものを作ることこそがプロであると認識できる瞬間です。
最後は、無事出来上がったお椀をもって、ほっとしたやすさん^^
後半は、作家としてのリアルに迫るトークショー
実演で少し時間が押しましたが、後半のトークショーはさらに興味深い内容でした。
やすさんの作家になるまで、そして作家になってからどのような経緯をたどっているのかという紹介から始まり、それから作家として大事にしていること、さらにそこからさまざまな話題に広がっていきました。値付けなどのお金の話、普段の生活のリズム、販路をどのように広げているのか、塗装のことなどなど、プライベート、ビジネス、技術的なことすべてにおいて、なかなか聞きにくいことを隠さず話してくれる優しいやすさん。僕の目には仏様に見えていました。
参加者からもたくさんの質問が投げかけられましたが、丁寧に一つ一つ答えてくださいました。
作家としてのポリシー、結局誰のために作家をやっているのか、器を作っているのか、そこの軸が全くブレないのがやすさんの強みなんでしょう。
一人の作家として、人として、その魅力を存分に感じたトークショーでした。
終わってからは、多くの方がやすさんの作品に触れ、そして購入してくださいました。
ツバキラボで木工旋盤を始めた会員からは、こういうプロの技を間近で見ることができてよかった、という声が多くありました。また、プロとしてやられている方も、なかなかほかの方の仕事を見る機会はありませんし、ましてやそのビジネスの中身を知る機会はそうそうありませんので、とても勉強になった、刺激になったという声がありました。
やすさん、本当にありがとうございました!
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ツバキラボでは、このREAL TALKを年に数回開催していきたいと思っています。次回は未定ですが、ぜひ多くの人に参加していただきたいと思っています。
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